今朝、TVでリオのパラリンピックを見ていたら、車いす100m走をやっていました。 その中でひときわ目立っていたこの選手、カナダのラカトシュ選手というそうです。 「用意、パン!」 スタートしたら速い速い!決勝なのにダントツ差をつけて一位の優勝でした。 走る姿、サイドビューでVTRが流れますが、フォームもほかの選手よりもかっこいい! そこで、少し考えてみました。「なぜこの人がかっこいいのか?」
たとえば↑コレは、大分での車イスマラソンの画像です。
みんな色とりどり。それはそれで個性がでていいのかもしれませんが、この写真のみなさんと、ラカトシュ選手を比較してみると、いろんな気づきがあります。
気づいたことは以下です
フロントビュー
- 身につけてるもの・三輪車ほぼすべてがモノトーン(白・黒)で統一
- サングラスをしているが、サングラスとヘルメットが一体化している
- ヘルメットもカナダをデザインされていて強調
- タンクトップのストライプの斜め角度と、タイヤのストライプななめ角度が一致
といった所がわかります。走行中のサイドビューをみると、
- ほかの選手と比べ、もっとも上半身のバンク角度が深く、スピードも乗っている
- ホイールのデザインもスリットが入ったカーボン造形でかっこいい
という点に気付きました。
改めてそういった点で他の決勝出場選手を見てみると、色がバラバラであったり、サングラスとメットがちぐはぐであったりと、バランスが悪く感じます。というより、トータルバランスを考えていないんだろうなと感じました。「見られる」という意識でトータルコーディネートしていたのが、ラカトシュ選手のみであり、だからより一層際立っていたのかもしれません。
そういう視点で見ると、「あごひげの○でさえデザインか!?」と思ってしまいます。
見た目もさることながら、走行中の動きには度肝を抜かれました。
走るときは上半身が上下して、そのさまは、まるでピストン。
回る手は完全にコンロッド。
一つのマシンの完成系みたいで斬新でした。
これは、何かと考えました。。。。これですね!
「カールベンツ・モトールヴァーゲン」
カールベンツ博士作、世界初の自動車です。
この、原動機むき出しの、クランクが回ってるのが丸見えの、自動車。
一方のラカトシュ選手は、自身が原動機となった人力の車。
僕の眼には同じ機能美として映りました。
今回、何が言いたいかというと、眼力の鍛え方です。
商品を開発する上で大切なことがあり、それは
「目線」・・・どのレベルで「市場に出してよし」とするか、その基準を定める目
「眼力」・・・市場の声を聞かずとも、良いものを良いとして確信できる経験値
です。
世の中を一新するイノベーションを起こした商品や、人気沸騰の商品。
これらに共通することは、必ず眼力のある人が社内で精査して、これならいけるということで市場に投入されているはずです。
そういった眼力を身につけるにはどうするか?
それは、かっこいい、かわいいものを見つけたとき、その理由を深読みするんです。
見るたびに深読みしていくと、
- かっこいい製品の共通項
- かわいい製品の共通項
を見通すことができます。
中小企業はこれを自分のものとして取り入れて初めて、商品開発ができます。
たとえばイタリアで生まれる車や工芸品、家具がデザインで優れているといわれますが、その理由は、何百年も前につくられた石畳や石組で造られた自然の造形美満載の街並みを幼少期から見ているからです。知らずに目線・基準が高く鍛えられているから、自分で創作する際によいものができるんです。
良いモノを見ましょう。
ぜひいろんな商品を観察してみてください。
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