ブランディング

青木真也の「空気を読んではいけない」は現代版五輪書だ

空気を読んではいけない

この本、最近ビジネスパーソンの間でも話題に上ることが多い、今日本人でもっとも旬な格闘家「青木真也」氏の自伝書です。

総合格闘家として修斗→PRIDE→DREAM→海外団体 と戦場をシフトし、ライト級のクラスで現役を長く続けている現役ファイターです。

僕は言うこととやることが一致していない、「言行不一致」の人が大嫌いです。

やるなら有言実行。理屈ばかり言って自身の行動が伴っていない人は人前に出る資格はありません。

 

この青木真也氏、僕は以前日本初の総合格闘技「PRIDE」にはまってスカパーで良く見ていました。

ミルコ・クロップや、ノゲイラ、ロシアのヒョードル、など世界の猛者がそろって出ており、世界オールスター大会のようでした。

外国勢が多いヘビー級の戦い「PRIDE」に対し、日本人の体格でのミドル級、ライト級を盛り上げようという、「PRIDE武士道」という大会があり、対戦カードの一人に主に日本人が起用されていました。

もちろん全国放送でのメディアで登場するわけなので、各マイナー団体で頭角を現してきている人たちが登場します。その中に青木真也がいました。

ウルフルズの「バカサバイバー」に乗って登場してきて、試合では立って手で戦う選手に対して、足から組みついて、関節技で蛇のように相手に絡みつき、じわじわと極めて行く様は、「なんじゃこりゃ!?」が第一印象でした。

ミドル級の立ち技、パワー勝負と違い、関節技での戦いは斬新でした。

その後PRIDEは大晦日の民法で放映されるなど、バブル時代を経て、暴力団との黒いうわさなどでたたかれ、金銭問題などでスポンサーが去り、団体ごとなくなってしまいました。

 

前置きはこれくらいにして、青木氏の著書の感想です。

まず、氏は幼少期、周りになじめず、先生にも見放されるという、超孤独な幼少期を過ごします。

中学、高校のころ、柔道に出会います。そして、柔道のルールの中での「関節技」を覚えます。

しかし、「組んで→投げる」という王道を求める「常識とされる」伝統を重んじる柔道の中では異端とされ、認めてもらえない。

皆が当たり前のように組んで投げる普通の柔道では頭角を表せないと知り、どんどん「自分にしかできない」己の技を追求していきます。

追求するほど、浮いた存在になり、ついに大学の柔道部を首になります。

しかし大学3年生のころ、プロの格闘技団体からオファーがあり、プロデビューします。以後快進撃を続けています。

 

著書の中から、様々な教訓を得ることができます。これはすべて商売に通じます。

  • 慣れ合うな、迎合するな
  • 自分の価格は自分で決めろ。値下げをするな
  • 自分の成長と将来にとって邪魔な人間関係は即処分しろ
  • 幸せはモノでは得られない
  • いらない上下関係を作らないために借りを作るな
  • 人生において勝負の時・相手を見極めろ、期を見て大きくステップアップする相手との勝負
  • 足るを知る
  • 欲望には限りがない。
  • 外ではなく自己を見る
  • 結果を出せば周りは手のひらを返す。だから放っとけ
  • バブルに乗った時こそ冷静になれ
  • 一直線に進んで結果を出したら次は横の幅を広げる
  • マニアでなく大衆に受け入れられた時こそ市場が爆発する

これほど多くの教訓が詰まった本にはなかなか出合えません。しかも、現役のTOPの格闘家が、言葉で、自身の生きてきた足跡を具体的に説明をしている本書は、まさに宮本武蔵の戦い方を書いた「五輪書」の現代版です。

私自身も、事業を行いながら批判を受けることも多々あり、そんな逆風をうけながらも、新しい価値を、まだ見ぬお客様へどう創造してどうお届けしよう、と日々胃酸と戦いながら、人生をかけてものづくりをしています。

その思いや苦労というのは、決して他人に分かるものではありません。

しかし、「関節技」という武器を持ち、世界総合格闘技のTOPを取った本人が書いてシェアしてくれています。

 

僕は彼が、「アントニオ猪木」や「モハメドアリ」、その先の「宮本武蔵」を目指していると思っています。目指していなくて今の域になっていたとしても、ものすごいです。

アントニオ猪木 「力道山から受け継いだプロレスを一般大衆化・物語化した偉人」

モハメドアリ「ボクシングを通じて黒人差別と戦い続けた偉人」

宮本武蔵「二刀流という自分にしか無い技を生み出し、戦い方の神になり時代を超越した偉人」

 

というわけで、PRIDEを生で見ていた10年前以来、久しぶりに青木真也氏に触れ、その生きざまが素晴らしかったので、書いてみました。

ぜひこれを読まれた方、青木氏の著書を読んでみてください。損することは決して無いですよ。

そしてこの本に忠実に生きれば必ず成果は出せます。お勧めです!

関連記事

  1. ウイダーインゼリーと佐藤可士和氏
  2. インパクト名刺の効果
  3. ブランディングとポジショニング
  4. 「うな子」は何が問題だったのか
  5. 価格と価値の話

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP
Fudousan Plugin Ver.1.7.15